毎日新聞 2014年07月13日 東京朝刊

 通信販売大手「ジャパネットたかた」(長崎県佐世保市)の高田(たかた)明社長(65)は2015年1月に退任する方針を固めた。後任には副社長で長男の旭人(あきと)氏(35)が昇格する。高田社長はこれまで創業30周年の16年までに社長を退く意向を表明していたが、業績が上向き、経営環境が整ったことから、交代時期を早めたという。

 高田社長自らがテレビショッピングに出演し、独特な語り口で人気を集めてきた。ただ、主力商品だったテレビの販売不振で12年12月期は2期連続の減収減益に陥った。当時の毎日新聞の取材に「13年12月期の経常利益で過去最高を更新する。できなければ(社長を)辞める」と表明。布団用掃除機などヒット商品を生み出し、13年12月期は売上高が前期比21・6%増の1423億円、経常利益は2・1倍の154億円と過去最高を更新した。

 最高益を達成し、早期退任の必要はなくなったが、同社関係者によると、退任を口にしたのは、高田社長に頼りがちな社内をてこ入れするため。社員や旭人氏に一定の力がついたと判断し、「16年までに退任」と表明。最近になって退任を早める意向を固めた。以前から、元気なうちに経営を旭人氏に引き継ぎたい考えだったという。

 高田社長は創業日の来年1月16日付で退任するが、テレビショッピングの出演は続ける。会長職には就かないという。旭人氏は東大卒。野村証券からジャパネットに入社し、12年7月に副社長に就任した。

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