これはカナダ東部にあるプリンスエドワード島のアヴォンリー村での話です。アヴォンリーに住むマシュウとマリラの老兄妹は、手伝いに男の子を欲しがっていました。しかし、仲介人の手違いで、孤児院からは11歳のアンがやってきてしまいます。最初、送り返そうとしたマリラはアンの空想力に「退屈しないだろう」ということでアンを育てることを決心。最初はカンシャク持ちだったアンですが、マリラの育てにより、改善していきます。
そしてアンは、ダイアナという年の近い友達を手に入れます。彼女と永遠の友情を誓うアン。そして、学校に入学……。しかし、美少年であるギルバートに、赤毛のことを「にんじん」と言われたので、あろうことか石板で頭を一撃。それに加え、先生が嫌な人だったこともあってか、マリラの計らいによってアンは学校を休むことになります。
ある日、アンはダイアナをお茶に招待します。しかし、そこで手違いのためぶどう酒を飲ませてしまい、ダイアナの母から絶交を言い渡されてしまいます。しかし、ダイアナの妹が熱を出した時にアンが看病したおかげで、ダイアナの母が二人が再び会うことを許してくれます。
学校へ再び行くようになったアン。ギルバートとは競うように戦い、二人は常に、成績がトップでした。そんなある日、友達と一緒に演劇ごっこを始めます。死んでしまい、棺ごと船で流されるお姫さまの役をやったアンは近くの小舟に横たわります。すると、その小舟の底には穴があいていて、アンは、助かるように祈ります。友達も気づきましたが、何もできず……。そこへ通りかかったのは、アンと仲直りしたいギルバートです。助けてもらったアンですが、ギルバートに対して素直になれません。
そして学校では、上の学校であるクイーン学院へ行くクラスとなり、猛勉強を開始。その甲斐あってか無事に合格。1年間勉強し、優秀生徒一人が受けられるレドモンド大学へ行くためのエイブリー奨学金を手に入れるのです!
しかし、アンをとても可愛がってくれたマシュウが死んでしまいます。また、マリラは目を悪くし、失明の危機へと至ります。アンは奨学金を辞退。アヴォンリーで勉強を教える決心をします。そして、ギルバートとも仲直りし、新たな人生を歩みます……。

この後にも「アンの青春」、「アンの愛情」など、計5冊の続編があります。

村岡花子

1893年(明治26年)に生まれ、10歳で東洋英和女学校に入学。以後、10年間を東洋英和で寄宿生として過ごしました。在学中に英語の小説を翻訳して友人に聞かせるほど英語力をつけた花子は、卒業後、教師となり編集者として活躍。第二次世界大戦中、花子は編集者時代のカナダの友人から贈られた小説「Anne of Green Gables」を戦火の中で訳します。出版の当てもないまま、いつか日本の子ども達がアンに出会えることを信じて、翻訳に打ちこみました。戦後、1952年になって花子の思いのこもった物語は『赤毛のアン』として出版され、60年たった今でも世代を超えて愛され続けています。

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