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★ 考えるだけで頭が痛くなりそうな年金の仕組み。ザッとおさらいしてみましょう。


いろいろと問題がある日本の年金制度。日本の年金は積立ではなく、今保険料を払っている人が今年金をもらっている人を支えるというシステムです。

少子高齢化が加速する日本。
これから若い人が減り、お年寄りが増えていくことになれば年金制度は破綻するとも言われており、最近は保険料を払わない人が急激に増えているようです。

特に若い方の中には「どうせ年金はもらえないのだから払うつもりもない」なんて方も多いのではないでしょうか。

では、年金を払わなくても平気なのでしょうか?
年金を滞納してもペナルティは無いのでしょうか?

「周りのみんなも滞納しているのだから大丈夫。」なんて思っていませんか?

実は、年金を滞納してそのまま放置していると、最悪の場合預貯金等が差し押さえされる可能性もあります。やはり滞納してそのまま放っておくのは絶対NGなのです。

しかし、中には納めたくても納められない方もいらっしゃると思います。そういう方はどうすればいいのでしょうか?

  • 【目次】
  • 年金の種類
  • 国民年金を滞納するとどうなるの?
  • 催告状を無視し続けるとどうなるの?
  • いよいよ差し押さえ!
  • 実際どれくらいの人が差し押さえにあっているの?
  • 放置は厳禁!差し押さえにあわない為に大事なこと
  • 国民年金の延滞金について
  • 未納に時効はないの?
  • 今すぐに払えない場合はどうすればいい?

年金の種類

年金には大きくわけて二つの種類があります。厚生年金と国民年金です。

厚生年金は会社にお勤めの方の年金です。

厚生年金保険料は給料から天引きされたものを会社がまとめて国に納めていますので、会社が納め忘れない限り滞納にはなりません。

一方国民年金は、主に自営業者や学生など企業に勤めていない人の年金で、こちらは自分で納めない限り滞納になってしまいます。

国民年金保険は、原則日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人に加入義務があります。(全ての人が対象になるわけではなく、所得が少ない人は免除や猶予の対象になる。)

国民年金を滞納するとどうなるの?

国民年金保険料は毎月発生しますが、この保険料を翌月末までに払わないと未納になります。例えば、11月分の保険料を12月末までに支払わないと未納になるということです。

そして未納状態になると「催告状」が送られてきます。
催告状には未納額が示してあり、未納分を納める方法の案内などが書いてあります。

催告状を無視し続けるとどうなるの?

催告状が届いても急に何かが起こるわけではありません。さかのぼって未納分を納付すれば、利息もかかりません。

(今までは、未納分をさかのぼって支払えるのは過去2年間の分のみでしたが、2012年10月~2015年9月までは、過去10年間の未納分が支払えるようになっています。)

しかし、国は国民年金の未納者に対する催告を民間業者に委託していますので、そのような民間会社から督促の電話がかかってくることもあるかもしれません。

それでも無視し続けていると、「最終催告状」なるものが送られてきます。

「最終催告状」には、「納付期限までに未納分を納めないと、法的手段をとるぞ」というような内容が書かれています。そして、自主的な納付を促す最後の告知となります。

最終催告状にも納付期限が記されていますので、それまでに滞納分を払えば問題なしですが、それでも無視する人には「督促状」が送付されます。

「督促状」は「最終催告状」と異なり法的な通知となります。「督促状」に書かれてある納付期限までに納めないと、

  • 延滞金14.6%が課せられること
  • 財産が差し押さえられる可能性があること

が記載されています。

ちなみに、最初の「催告状」から「督促状」が送付されるまでの流れですが、例をあげると、

11月の保険料を12月末までに納付しなかった

「催告状」の送付

納付せず

1年以上の未納

「最終催告状」の送付

「最終催告状」の納付期限を超える

「督促状」の送付

となります。

いよいよ差し押さえ!

この「督促状」が送付されるといよいよピンチです。「本当にこの人に国民年金保険料を納めるだけの余裕が無いのか?」その調査が始まるのです。

国も、病気になっていたり、失業している人から無理やり保険料を徴収するようなことはしませんが、払える余力があるのに払わない人には容赦せぬということですね。

具体的には、直近24カ月の間に13カ月以上未納があり、所得が200万円以上ある人は保険料を払えるとみなされて催告されます。

この場合の所得とは、年収ではありません。サラリーマンのような給与所得者の場合、給与所得控除という給与所得者の経費を差し引いた残りの金額です。

事業主の方は事業の収入から経費を差し引いた額です。尚、本人だけではなく、世帯主や配偶者の収入もカウントされます。

調査の結果、払う余力があると見なされた人には「差押え予告」が送付されます。

この「差押え予告」を無視すると、差押え開始!あなたの預貯金や車などの動産、家、土地などの不動産が差押えられることになります。

差押えの対象として、本人以外にも、配偶者、連帯納付義務のある世帯主などが該当します

差し押さえまでの流れとしては、

「督促状」の送付

「督促状」の納付期限を過ぎる

「差押え予告」

「差押え」

となります。

この「最終催告状」送付から「差押え」までの期間はおおよそ2年間ということです。

実際どれくらいの人が差し押さえにあっているの?

平成22年度の厚生労働省の調べでは、「最終催告状」の送付数は24,232件。

その内、財産の差押えの件数は3,379件となっています。

未納者は321万人ですので、未納者全体の内、およそ0.1%の人が差押えにあっていることがわかります。

放置は厳禁!差し押さえにあわない為に大事なこと

上記の差し押さえの件数をみると、同じ未納者でも差押えにあう人とあわない人がいることがわかります。彼らの違いはどこにあるのでしょうか?

どうやらその差は、対応の早さと誠実さにありそうです。
厚生労働省では、度重なる勧告にも応じない滞納者には強制徴収を実施するとしています。

毎月末の納付を怠るとその時点で未納者になるわけですが、そこから財産差押えに至るまではいくつかのステップがあります。

「催告状」

「最終催告状」

「督促状」

「差押え予告」

できれば「差押え予告」が来るより前の段階で、少しでもいいので未納分を収めたり、年金事務所に相談に行ったりなど、とにかく放置するのではなく未納分を納める意思を見せることが大切なようです。

国民年金の延滞金について

滞納していた保険料を後から納める場合、滞納金額をそのまま納めれば良いってことにはなりません。それでは真面目に払っている人に対して不公平になる為です。

滞納金には年14.6%の延滞金がかかります。年間約15%は大きいですね。

それではいつから延滞金が付加されるのか。

延滞金がかかるのは、督促状の納付期限を超えてからです。それまでに滞納金を支払えば延滞金はかかりません。

例えば 督促状の納付期限が12月末だった場合、それまでに納めれば延滞金はかかりませんが、それ以降は延滞金がかかるということです。

未納に時効はないの?

国民年金保険料の未納分は、原則過去2年間までならさかのぼって支払うことができます。(2012年10月1日に成立した「追納期間が2年から10年になる」という追納の特例は3年間の期限付きです。)

この2年を超えると「時効」になるということです。

では、2年間逃げ切れば保険料を納めなくてもよくなるのでしょうか?

現実はそう甘くはありません。「督促状」が発行されると「時効」は中断されますので、2年を過ぎても払わなければならないのです。

結局、黙っていれば時効が成立して逃げ切れるということはなさそうです。

今すぐに払えない場合はどうすればいい?

失業中だったり、病気で働くことができないなど、何か理由があって年金を支払えない場合はどうすればよいのでしょう?

まず、既に未納分がある場合、未納分を分割して納付することも可能ですので、お近くの年金事務所に相談してみましょう。

差押えを避ける為には、なんといっても未納分を払う意思をみせることが大切です。一括納付は無理でも、少しづつ支払っていくことを約束するのです。

また、収入が少ない(例:年間所得200万円以下)、病気やケガで働けない、会社が倒産した等の理由があれば免除が適用されることもあります。

免除の申請の際には以下のものを用意しておくとよいでしょう。

  • 国民年金手帳もしくは基礎年金番号通知書
  • 退職(失業)の場合は、退職(失業)を証明できる書類(雇用保険受給者証、雇用保険被保険者離職票等の写し)

場合によっては前年もしくは前々年の所得を証明する書類も必要になります。

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