いずれは去らねばならぬ所を、少しばかり早く去ったところで、それが何でしょう。配慮しなければならぬのは、長く生きることでなく、充実して生きることです。なぜといって、長生きは運命次第ですが、充実した生は自分の心掛け次第だからです。充実した人生は十分に長い。しかしその充実は、心が良き資質を発達させ、支配力を自分の全体に十分に及ぼしたときにのみ得られるものです。
 怠惰に過ごしただけなら、八十年生きたところで何になりますか? そういう人は生きたのではなく、人生に滞在していたにすぎません。遅く死んだのでなく、長く死んでいたのです。

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