これは実際あった話だが、娘が中学生の頃、「カッターナイフで手の平を傷つけられている子を目撃したが、どうしたらよいか」相談に来たことがあった。
 わたしは即座に「校長室へ行って校長にありのままを伝えよ」とアドバイスした。「担任でも他の先生でも駄目だ。校長ならなんのしがらみもなく最善の策を講じてくれるはずだ。学校の面子〈めんつ〉にも関わることだし、絶対にほってはおかないだろう」と。
 こういう場合、仲の良い先生や担任では、どこからか、「チクッた」という情報が飛び、こちらの身が危うくなるからだ。友達でも駄目。同じ危険が待っている。「直接、校長に」というのが肝心なところである。
 見て見ぬ振りをするのも最悪。「勇気がいると思うが、必ず行きなさい」とわたしは言った。
 怖かったと想像するが娘は実際そうしたようで、その後、いじめは無くなったそうである。
 その話を聞き、わたしは娘を思い切り褒めてやった。
 いじめはそれを聞いた人が誰であるかによって、結果がかなり異なるはずだ。大人である以上、そんな場合は責任を持って根絶への道を歩んでいただきたい。
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