今の大学生は大変ですね。やれ就活だ、やれインターンだ、といった具合に大学3年のときからもう就職のことを考えなくてはいけない。本当に過酷だと思います。
 わたしが大学生の頃は、もう40年以上前になりますが、それはのんびりしたものでした。
 塾のアルバイトで当時の初任給程度は稼いでいましたから、バイトのない日は親友と飲みに行き、文学談義に花を咲かせたりしたものです。小遣いなど親からもらったことは一度もありません。国立大学の学費は年間1万2千円。つまり、月千円です。だから、学費だの就職だのといったことを考える必要もありませんでした。
 4年の秋になってやっと就職のことを考えた程度で、掲示板に張り出される募集記事を見て、一応、大手の電機メーカーに出願したところ、内定が出たのですが、ハタと考え、やはり自分には向いていない感じがして断り、それまで取っていなかった教員免許に必要な単位を1年留年して取り、教育実習と採用試験を受けて高校に勤め出した、というのがわたしの経歴です。英国のようにギャップイヤーという制度が日本にはありませんから、この期間が実質的なギャップイヤーだったような気がします。いわば、人生の中のワンクッションですね。その代わり、卒論には2年をかけて注力しました。これはその後、わたしの人生で大きな力になったと思います。
 可哀想な大学生諸君。でもめげないで下さい。大学はハローワークではないのですから、人生で二度とないこの期間を、読書をしたり、一人旅をしたりして、充実したものにしてほしいと心から願います。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック